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巨峰の発祥が伊豆なのをご存知でしたか?
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ブドウの王様「巨峰」のふる里は伊豆
ブドウの収穫量が多い「山梨県」や「長野県」をイメージされる方が多いと思います。かく言う僕も昔はそう思ってました。地元にいながらも意外と知られていない事実。それが、巨峰の発祥が伊豆である事。結構勘違いされちゃうことが非常に多い。
そんなワケで、今回はそのブドウの王様と呼ばれる「巨峰」をこの世に生み出した、伊豆の誇りともいうべき農学博士「大井上 康(おおいのうえ やすし)」先生のお話です。
旧、中伊豆町で今現在は伊豆市年川の国道沿いに、この「巨峰のふる里」のモニュメントがあります。
実は我が家の自家農園の巨峰づくりを始めた僕の祖父に多大な影響を与えた人物こそ大井上博士その人です。因みに巨峰が生まれたのちにピオーネを生み出した地元の「井川 秀雄」さんは博士の弟子の方にあたります。
大井上 康(おおいのうえ やすし)
1892年 (明治25年) 8月21日-1952年 (昭和27年) 9月23日
農学博士、民間育種家「巨峰」の生みの親として、今日では常識となっている「栄養周期理論」の提唱者としても知られる。
大井上康学術文献資料館 ←伊豆市観光情報サイト
巨峰誕生への道
ブドウの未来を切り拓いた男
甘いデザートといえば、昔から果物が定番です。
そんな果物の中でダントツの甘さを持っているもの。
それは、ブドウの王様、「巨峰」。
その甘さにこだわり、世界のどこにもないブドウを作ろうとした男がいた。
その執念は世界を驚かせる品種へと実を結びました。
富士山の見える伊豆の丘、中伊豆町(現:伊豆市)に小さな西洋風の小屋を建て、果実作りの研究を始めた一人の農学者がいました。
それが、大井上康 博士です。
1919年(大正8年)、人々が西洋風の生活に憧れた時代。
博士は、日本の土壌で育つ、それまでにないほど甘くて美味しい果物を自分の手で作ることを夢見ていました。
博士が思い描いていたのは、ヨーロッパ留学中に食べたブドウでした。
自分がかつて食べたあの甘いブドウを日本人も気軽に食べられるようになり、そして自分が抱いた「幸せ」を感じてほしいと考えました。
博士は、ヨーロッパで出会った甘い品種のブドウを、船便で輸入し育てようと考えましたが、温暖多雨な日本では、育てるうちに苗が枯れてしまいました。
そこで、もともと日本にあった、病気に強い「石原早生」と、海外から取り寄せた糖度の高い「センテニアル」とを掛け合わせました。
新しく出来上がったこの品種を少しづつ改良し、あのヨーロッパのブドウのように甘くしようと博士は考えました。当時の日本は、甘いものは非常に高価な時代、「甘いものは人を幸せにできる。それを作り出すのが私の道だ。」と。
主に植物が育つには、窒素、リン酸、カリウムの3大要素が不可欠だということは知られていました。そして、常にこれらの肥料を豊富にあたえ、肥沃な土壌で育てることが当時は理想とされていました。
博士は、毎日どのくらい肥料や水分を与えたか詳細に記録し、その結果ブドウがどのように育ったかというデータを集めました。
ある雨の多い年、大雨で畑に与えた肥料が流れ出てしまい、途方にくれました。
しかし、この年実ったブドウは、それまでのモノよりもずっと甘かったのです。
「もしかしたら自分は肥料の与え方を間違っていたのではないか・・・
畑の土壌には何が必要かではなく、
何が不必要なのかを考えるべきだったのではないか・・・」
その気づきから、さらに試行錯誤が続き・・・
1946年 (昭和21年)、いまだかつてない大粒の、しかも糖度の高いブドウが誕生!
この新品種のブドウは、研究所から見える、雄大な富士山にちなみ「巨峰」と名付けられました。
しかし、世は戦中戦後の食糧難の時代、主食の米などの栽培に重点が置かれ果樹栽培まで目が向けられる事はなく、さらに栽培の難しい「巨峰」はその後も苦難の道を歩みました。
博士のその功績は、評価されることはなく戦後の、1952年 (昭和27年)にその生涯を閉じました。
時がたち、食糧難を脱し果樹栽培が盛んになると、弟子たちによって日本各地の農家に広められ、「巨峰」の評価はみるみる上がり、今日の国内産地に根付いていきました。
現在日本で出荷されるブドウの6割以上が「巨峰」の遺伝子を受け継いだブドウ品種と言われています。「ピオーネ」、「藤稔」も「巨峰」から改良されたものです。
(参考: ウィキペディア、日本テレビ系 未来創造堂)
以上のような功績を地元にいながらも以前は知らなかった僕のような方に知って欲しいな~と思います。
伊豆の偉人「大井上 康」博士の功績が後世に語り継がれますように。
そんな想いも祖父から受け継ぎながら、我が家の巨峰は現在は父親が中心となって情熱をかけて栽培しています。
来年も美味しい巨峰が出来ますように!!
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